【私が最も書きたかった内容です】
数回に分けてアドラー心理学の基礎を簡単に書いてみました。
やっと辿り着きました。笑
この5つの理論が書きたくてアドラー心理学のアウトプットを始めたんですよねww
さて、ここからはアドラー心理学の基礎をザックリ知っておくと理解が早いと思うので、コチラからアドラー心理学の基礎を読んでおいて下さい♬
今回からはアドラー心理学の主要な5つの理論について書いていきたいと思います。
【アドラー心理学シリーズ 5つの理論】
- 主体論
- 目的論
- 全体論
- 認知論
- 対人関係論
以上が私の大好きな『5つの理論』です。
1つの理論がそれぞれの理論に関係しているので、1つも欠かせません。
この5つを理解すると自分自身への理解が深まるし、自分と社会との関わり方も見えてきます。
もちろん他者を理解する上で役に立ちます。
ライフスタイルや劣等感などを理解しておくと、より腹に落ちると思います。
それでは簡単に説明していきます。
【主体論】
・自らの行動、考え方を決めるのは自分自身
・自己決定性ともいう
自分の人生の主人公は自分自身です。自分で責任を取らなくてはなりません。
流れに身を任せるのも大切ですが、何でもかんでも流されるままに生きていては、誰の人生を生きているんだかわかりません。
人生は選択の連続です。その選択を自分が決めるのか?他人に決めさせるのか?で進む方向は変わってきます。
怒りや悲しみといった「感情」ですら無意識に選択しています。(目的論で説明します)
自分の人生は自分が「意識的」に選択していかなければなりません。幸せに生きたいなら必須です。
自分の運命は自分で決めるのです。
【目的論】
・人間の行動には目的がある
・行動の目的は無意識的なものが多い
・ライフスタイルに合った目標を掲げ、ライフスタイルに沿った型で目的を果たそうとする。
人間は自ら設定した目標に向かって生きてゆきます。 (目標は概ね無意識に設定されます)
人間の行動の一つ一つの目的は、人生の目標に繋がっています。
人生の目標は人ごとに違っていて、目標に向かう道や手段も個性があります。
人生の目標と、目標への道筋、シナリオが『ライフスタイル』ということです。
主体論のパートで「感情も選択して使っている」と書きました。
感情は目的があって使用していることがあります。
例えば、
よく怒る人の目的は、相手を支配してコントロールすることが目的です。
泣いてしまうほど悲しむ目的は、相手に罪悪感を持たせるためだったり、周囲の人に優しく共感してもらうためだったりします。
このように感情を使って他人に影響を与えようとするのが目的です。
(この辺は『対人関係論』とも大きく関係してきます。)
目的論は『嫌われる勇気』にも説明があったと思います。
哲人は「トラウマなんてない」と言っていましたが、トラウマはあります。
ただ、トラウマとどう向き合うかで人生は大きく好転するかもしれません。
『嫌われる勇気』でも出たと思うんですが、赤面症の女性の例をあげます。(うろ覚え)
「私は子どもの頃に大勢の人前で失敗して恥ずかしい想いをしたことがある。だから大勢の人の前に立つことができない」と言う人がいるとします。時々おられます。私もそうでした。
子どもの時のトラウマが原因で人前に立てない。 これは原因論です。
目的論で見ると「恥をかきたくないから、人前には立ちたくない」です。
女性は「恥ずかしい想いをしたくない」「人前に立ちたくない」という目的を果たすために赤面症を利用しているのです。
トラウマは言い訳にすぎないのです。
こんな話もあります。
朝になると頭痛に悩まされている。毎日学校に頭痛に苦しみながら行くんです。学校を休むと頭痛はピタリと止まる。
「学校に行かない」という目的のためにリアルに頭痛を作りだしています。
目的論では鬱やその他の心の病とされるものにも目的があると考えます。その人には目的を果たすために症状が必要なのです。
一部の例を紹介しましたが、まだまだ広い範囲で活用できます。 目的論はシンプルですが奥が深いです。人間をよく知るためには目的論は欠かせないと思っています。
目的論はアドラーのオリジナルではなく、アリストテレスが起源とされています。原因論や機械論では限界があると悟ったアドラーが再び採用した理論です。(古代ギリシャの賢人は凄い!)
『人間の行動には全て目的がある』という考え方は実生活でとても役に立ちます。
【全体論】
・人の心や意識に矛盾はなく、全て自分自身
・心と身体、意識と無意識は一つ
・全て分割できない自分である
人とは「分割できない一つの全体である」というのがアドラー心理学の基本的立場。
アドラー心理学は日本では「アドラー心理学」として浸透していますが、英語では「Individual Psychology」であり「個人心理学」と訳されます。
「Individual」はラテン語の「indiviuum」に由来していて、「分割できない」という意味です。
人間は要素にわけることができない全体的な存在ということです。
全体論では「わかっているけどやめられない」「やりたいけどできない」という矛盾は起こりえないという考えです。
心も身体も、意識も無意識も目標に向かって分業し合っているのです。目的地に向かって走るアクセルとブレーキの関係と同じです。
身体で例えると、右手と左手、それぞれの役割で目的を果たすのです。
言葉と行動では、行動と結果がその人の目標を物語っています。
【認知論】
・人は物事を自らの「ライフスタイル」に沿って解釈、意味づけをする。(認知バイアス)
・同じ物事でも、人によって判断や認識が異なる。
認知論もやはり「ライフスタイル」を理解しているとわかりやすいと思います。
2人の人間が同じ経験をしても、それぞれ解釈と意味づけが違えば、体験は別々のものとして認知されます。
例えば、男性が歩いていて、向こう側から女性が歩いて来たとします。その女性と目があった瞬間に女性は目を逸らしたとします。
この時に男性はどう解釈し、どう意味づけるかで体験した内容が変わってきます。
「きっと私に気があるな」と解釈するのか、「私のことが嫌いだから目を逸らしたんだ」と解釈するのかで意味づけが異なるのです。
ここに後生大事にしている「ライフスタイル」が顕著に見えてきます。
よく例えられるのが「色メガネ」です。
青色の色メガネを着けていれば世界は青色に見えるし、ピンク色の色メガネなら世界はピンク色に見えます。着けている色メガネで見える世界が違うんです。それは抱えている観念によって、世界に対する見え方が違うのと同じことなんです。
【対人関係論】
・人の行動や感情には、必ず「相手」が存在する
・他者と関係を持たずに思考や行動は生まれない
・人が抱く悩みは全て人間関係に起因する
最近ではこの『対人関係論』が私のお気に入りです。
アドラー心理学では、「人間の行動は、対人関係上の問題を解決する目的で、発動・実行されていく」と考えます。
(中略)
その人の対人関係(あるいは社会文脈)上において、その行動を起こすことがどのような影響を及ぼすのか、を考えてみるということです。
(アドラー臨床心理学入門より引用)
人間はそれぞれ、自分の行動が他人にどのように影響を与えるかを無意識的に(あるいは意識的に)計算して行動しているんです。
特定の誰かに対してなのか、不特定の他者からどのように評価されたいのかなど、人間の全ての行動には必ず相手が存在しているのです。
対人関係論で観察すると、
子どもはお父さんお母さんに褒めてもらいたくて良い子で在ろうとします。逆に親に対して復讐する (罪悪感を感じさせる)ために自傷行為や悪さを繰り返す可能性があります。
慈善活動をしている人は、他者から善人だと思われたい。社会から良い評価を得たいからかも。
パートナーに優しく構って欲しくて泣いて落ち込むとか、会社を辞めたくて自分の評価を下げるために失敗を続ける人もいるかもしれません。
厳密には、その人のライフスタイルを観察してみないとわからないのですが、人間には「裏の意図」があるものなのです。
『対人関係論』『目的論』『全体論』はセットで考えるとより効果的です。
「私という全体は、誰に対して、どのような目的で行動しているのか?」こんな感じです。
このように人間の行動には相手役が存在しているのです。
私の感覚と経験上、例外なく絶対です。
まぁ「絶対」とまでいかなくても、人間というものを「社会的存在としての人間」という考え方で見ると、人間を理解しやすいかと思います。
アドラーは「人の悩みは全て対人関係の悩み」と言っています。「んなことあるかい!」と思うかも知れませんが、悩みの源を辿っていくと「なるほどその通り」と感じると思います。
【目的論・全体論・対人関係論セット】
目的論と全体論、対人関係論をセットで使って考察すると、嘘つきや詐欺師を炙り出しやすいです。
「この人は嘘ついてるな」とか、「表面上だけで言ってるな」とか、簡単に見抜けます。
私は過去に人を騙してきたし、人に騙されてきたので感覚的に見抜くのが得意なのかもしれませんけどね。※今では改心しておりますm(_ _)m
【まとめ】
以上がアドラー心理学の5つの理論です。
「ザックリ」ですが解説しました。笑
5つの理論は人間の活動の全ての場面で応用可能なので、教育者やカウンセラーなどが「人間を知る」ことにとても役に立つことでしょう。
興味のある方はアドラー心理学の専門機関で深く学ぶのも良いかもしれません。
「嫌われる勇気」でアドラー心理学は急激に広まりました。一種のブームのような感じでした。
アドラー心理学を取り入れたコーチングやカウンセラーも増えたと思います。ですが、アドラー心理学を浅く学び、しっかり理解せずに使ってしまうと誤った方に向いてしまうケースもあるなと感じています。
きちんと学び実践すれば、アドラー心理学の凄さを実感できると思っております。
【終わりに】
私は アルフレッド・アドラーのことを仏陀や老子に並ぶ、人間の心に特化した覚者ではないかと思っています。
アドラー心理学は「こうやって生きれば、幸せに生きられるよ」と教えてくれている『哲学』でもあります。
アドラー心理学は『仏陀の教え』とも親和性が高く、補完し合っていると考えています。(あえて仏教とは書きません)
機会があれば『仏陀の教え』についてもアウトプットしたいと思います。
『アドラー心理学と仏陀の教え』でオンラインサロンでもやりたいな♡
誰か興味ある人いないかな〜♬(強調)
少し長くなってしまいましたが、最後まで読んで下さり有難う御座いました。
ではまた!!
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